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おもてなし 花の風まつりのコンセプト

2009.02.21

花の風まつりの基本コンセプトは「おもてなし」だと聞きました。
町内外から訪れる人たちをあたたかく「おもてなし」しようというのが、このイベントが始まったきっかけのようです。

一昨年このイベントに誘われてから、この言葉についてちょっと調べてみました。
おもてなし=旅人に対する饗応は、じつは古くからの慣習として、民俗学の世界ではよく知られている行為だからです。

『旅人と都市が出会う時。』 小松和彦

笑顔での挨拶、庭先に咲く四季折々の花々…
見返りを求めない「小さな贈与」の場が、
街のあちこちに散りばめられている――。
歓ばしい都市の歓待方法とは、そういうものではないだろうか。

http://www.makuhari.or.jp/urbanist/1996/96_051.html

小松和彦さんは、鬼や妖怪に関する研究で知られる民俗学・文化人類学者です。
むかしから何故か鬼に興味があったので、小松さんにはシンポジウムに出席していただいたことなんかもあるんですが、鬼や妖怪のような得体の知れないもの(つまり人の内面の不安に関わるもの)を単純明快に説明してくれる人は日本広しといえどそうは居ないのではないかと思っています。

その小松和彦さんがこのコラムで語っているのは、生活者と他所から訪れる人がどのようにして関わりを持つかということです。
民俗学者ですから、古来からおこなわれて来た定住者と外部の人との利害的な関わりや他者に対する畏れについてもきちんと踏まえています。
そのうえで小松さんはこう書いています。

 ところで、社会集団のタイプは、これだけなのでしょうか。
社会集団のタイプとまではいわないにせよ、もっと違った、もっと人間と人間を根源的に結びつける「もてなし」のある社会が想定しうるのではないでしょうか。

 わたしが思い描くのは、ささやかな、しかし好意に満ちた行為、無償の「もてなし」が随所にちりばめられた社会、さりげなく挨拶の言葉をかける、物や貨幣などが見返りとして要求されない交歓の場所が、いたるところに仕掛けられている社会です。

小松和彦さんが思い描く社会の姿を、栃木の小さな町で、ささやかながらも現実のものに出来ればすばらしいと思います。

コメント一覧

とちおとめN URL 2009年02月28日(土)19時54分 編集・削除

<おもてなし>コンセプト 同感です!!
笑顔のあいさつ、四季折々の庭花、山野草、代々の里山生活などなど、この地区ではあまりにも当然、、、過ぎて
その日常性を感じ直し、この裕さに感謝したいと思うのが私の<花風>の期間です。
るーでんすさんの益々のご指導をお願いします。  拝

るーでんす Eメール URL 2009年03月01日(日)08時54分 編集・削除

「おもてなし」というキーワードについては、もうちょっとこのブログで考えてみたいと思っています。
ご指導とか書かれると恐縮してしまいますが^^;